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泉山(1)地学的概要

   泉山は、佐賀県有田町の北東に位置し、磁器発祥の地となった窯業の原料となる、陶石がある鉱山です。ここで産出される陶石は、その地名を冠に、泉山陶石と命名されました。この地域は約3000万年の杵島層群の堆積岩が分布していましたが、240~290万年前に有田流紋岩が、堆積岩をおおって噴出し、有田から伊万里にかけて広く鋭角な岩山を形成しました。ただ今回の主役である泉山は、地上に噴出する事なく、地下でドーム状に固化した岩体と考えられています。地上に噴出していたら、陶石は生成されず、有田は今も山峡の地だったのかも知れません。なぜなら、地下で固化した岩体に、50万年後新たな変化が起こります。それは、地熱活動で循環してきた地下熱水(今で言う、温泉)が、泉山岩体の下で上昇し、岩体と接触し大きな変化が起こったのです。流紋岩が、陶石に変化して行く瞬間でした。

 

泉山の北側にある流紋岩の山

簡単に、泉山陶石の成り立ちを説明しましたが、所詮、陶工の事で信用性としては、自らも???です。地学的見地の初期は、自己熱変性で陶石化していたと判断されていたらしいのですが、泉山岩体には北東から南西に走る亀裂が確認され、その隙間に近い流紋岩は、変質を強く受け良質の陶石に代わっていたのでした。(良質の陶石とは鉄分が溶解し、岩石中の長石が、粘土成分のカオリナイト・セリサイトに変質し可塑性を生み出している)地下熱水が、この亀裂の中を地下から噴出

してきたと同時に、その熱水の中には堆積岩の長石を変質させた、セリサイトが含まれていたのでした。そのセリサイトは

亀裂の中を埋め尽くし、後に古文書に出て来る「ギチ土」と呼ばれていた鉱物ではないかと推論しました。       

(赤文字は自論で、後日説明して行きます)。地学的な論文(上野三義博士:佐賀県有田町および長崎県波佐見町付近の陶石鉱床)を御参考ください。又、岩体の内部構造については、(濱崎聡志博士:流紋岩浅所貫入岩体の内部構造と貫入過程

)をご参照ください。但し、こちらの論文は、ダウンロードでのみ閲覧する事ができません。